これまで「人材のタフネス計画」をテーマに、企業が抱える人材戦略上の課題や対応策、最近の職場環境の変化、ストレスへの対処法などについてアドバンテッジ リスク マネジメント代表取締役社長 鳥越慎二が経営者、大学教授、企業の人事責任者たちと熱く語り合った。そこから見えてきたものは何か。対談を振り返りながら企業の現状と必要な対策の考え方などを聞いた。
<鳥越 慎二 プロフィール>
とりごえ・しんじ 1986年東京大学経済学部卒業。93年ノースウエスタン大学ケロッグ経営大学院MBA取得。現在、株式会社アドバンテッジ リスク マネジメント代表取締役社長。新潟県出身。
※ アドバンテッジ リスク マネジメントは、メンタルヘルスケア、就業障がい者支援、 人材採用・育成支援において先進的な人事ソリューションを提供しています。メンタルヘルス業界における唯一の上場企業であり、日本経済団体連合会に加盟しています。
今年は、未曾有の大地震が日本を直撃しました。
アドバンテッジ リスク マネジメント社では震災後、どのような動きがありましたでしょうか。
鳥越 まず、東日本大震災でお亡くなりになられた方々やご遺族に心よりお悔やみ申し上げます。 また、被災者の皆様には心よりお見舞い申し上げます。
弊社は、企業向けにメンタルヘルス不調の未然予防から復職支援までトータルでご支援しています。今回の震災を受け、弊社では心理的にご負担を感じている人たちのケアを目的に、東京・大阪・仙台にて「震災時の心のケア対応マニュアル」の配布/説明会を開きました。また被災した企業様よりご要望をいただき、従業員の方を対象とした心理カウンセリング、メンタルヘルスケア研修等を実施してまいりました。
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震災後の影響を受け、厚生労働省より「東日本大震災を契機にメンタルヘルスが不調に陥る人の増加が懸念され、予防対策を充実させる必要がある」とし、国会にて労働安全衛生法の改正案を検討することになりました。無論、震災前から、うつ病をはじめとするメンタルヘルス不調への対策は多くの企業で課題となっていました。そもそも何故、うつ病がこれほど蔓延してしまったのでしょうか。また、うつ病になったらクリニックで治療すればいいと思いますが、いかがでしょう。
鳥越 うつ病は自殺に結びつきます。日本の自殺者は10年以上も年間3万人という状況であり、日本の自殺率を世界から見ると、先進国の中でトップクラスだという報告もあります。うつが増えてきた要因は、橘・フクシマ・咲江様のお話にあったように家庭を含む社会的な環境がうつを醸成してしまったのではないかと思います。バブル崩壊以降、好景気を実感できた年はありません。子供の時から不景気だと言い聞かされて育ち、個人主義がもてはやされ、職場でのコミュニケーションが不足している、家庭での教育も欠如しているなど、多くの現象が複合的に絡み合って、現在の日本の環境をつくったと考えられます。
そうした背景の中、メンタルヘルスの問題が発生した場合、産業医の先生やクリニックとの連携も必要と言えます。ただし、企業は病院ではありません。企業としてこの問題で外してはいけない視点は、メンタルヘルス不調になる前の予防であり、その予防の内容がきちんと会社全体の生産性向上につながる対策であることが重要です。
厚生労働省の調査でも出ているように、約6割の労働者が仕事でのストレスを抱えています。会社全体の生産性向上につながる対策とは、具体的に、働く人一人一人がどのような状態になることと言えるのでしょうか。
鳥越 まず、ストレスとは刺激です。日常生活、仕事上での刺激を受けても、過度に感じてしまう人、意識しない人など受け止め方は人それぞれです。
例えば上司から仕事を依頼されたとき、失敗すれば評価が下がってしまうことを気にして、それをストレスとして溜め込んでしまう人がいる半面、これはチャンスだ、先輩に聞きながらやりきってみよう、と考える人もいます。このことから言えるのは、人には「思考パターン」があるということです。前者はストレスにしてしまうのに、後者は逆にモチベーションにしています。自らストレスを感じやすくしている思考パターンを見つけ出し、こういう時にとるべき行動をインプットしていけば、誰もがモチベーションへと転換させることができます。ほとんどの人は、行動パターンを意識していませんが、専門的なトレーニングで思考パターンが改善され、ストレスの影響を受けにくくなるのです。
ストレスを感じることもなく、集中力をもって仕事に臨んでいる人であれば、メンタルの強化は不要ではないでしょうか。
鳥越 ストレスの影響を受けにくい思考パターンを自ら学んでいる人は非常に少ないです。多くの場合はストレスを発散するタイプの人ではないでしょうか。例えば、感情的になり、爆発することで一時的にストレスを解消する人は身近にいるはずです。ただ、これは一瞬気が晴れるだけのことで、何も問題は解決していません。むしろ周囲にしこりを残してしまいかねません。こういう人にこそメンタルの強化が必要です。単に怒らないという感情コントロールは長続きしません。前向きに問題解決へと向かう発想パターンを学ぶことが重要です。だから、生産性を向上させることにつながるのです。
企業経営者にとって、生産性を向上させることはいつの時代でもとても重要なテーマですね。比較的メンタルヘルスの問題は、安全衛生または、労務管理の領域で対策を検討するケースが多く見受けられますが、経営という視点で考えた際、メンタルヘルス対策はどのように捉えるものなのでしょうか。
鳥越 少し日本が置かれている前提から説明させていただきます。日本のサラリーマンの生産性は先進国に比べとても低い状況にあり、そこに少子高齢化が迫ってきています。さらには、メンタルヘルス不調者の増加といった問題が社会問題となっており、企業の生産性に重くのしかかっています。
今、企業はグローバル競争の時代となりましたが、日本の現状は世界と競争するために必要な企業の活力と競争力を奪いかねない深刻な事態になりつつあると、私は認識しています。
では、生産性は何で支えられているのでしょうか。ヒトが成果を出す流れをパソコンの機能で例えるならば、知識、技術、経験などは「アプリケーション」、それらの土台となっているメンタルが「OS(パソコンを動かす基本システム)」です。つまり、「メンタル」が土台にあり、「知識、技術、経験」が働き、成果を出しているのです。根本的に生産性を上げるには、「メンタルを強化する(メンタルタフネス)」ことがとても重要といえます。このことは、うつ病といったメンタルヘルス問題への対応という狭い範囲でのとらえ方ではなく、健康な人もメンタルを強化することで生産性を向上させる効果が期待できます。したがって、企業経営という視点でも、"メンタルの強化は様々な戦略を実現する土台"といって も過言ではないでしょう。
最後に今後、企業の人材戦略で重要となるテーマについて教えてください。
鳥越 今、多くの企業でタフな経営が求められています。これまで様々な方にインタビューをしてきましたが、タフな経営を実現するためには、 "人材"の議論なくして成り立ちません。そして、企業が中長期計画を策定する際に不可欠なのが人材戦略です。
今後、企業の競争力の源泉となる"人材"の力を高めるため、人材領域(人材採用・育成、メンタルヘルス対策、人事制度など)を横断的に捉え、"従業員の生産性向上につながるメンタリティを強化する"という視点で革新していくことが、これからの人材戦略において極めて重要になることでしょう。
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